第12章 青き蓋はひらき、黄の旗はゆらめいた
僕はシャワーだけでいいし、お湯は針用にちょっとだけ溜めるくらいでいいかな〜。
それなら体を洗う間に溜まるだろうと思い、お湯を張りながら針の体をそっと洗う。肌柔らか、小さい、壊れそう。…そういうところは大人の針と変わらないんだななんて思うと目の前の赤ん坊がもっと愛しくなってより丁寧に体を洗った。
「あれ?…ここの背中にあるほくろ、こんな子供の頃からあったんだ。」
この前針とえっちしたときにあるなーって思ってたんだけど、このこと知ってるの針の両親と僕だけじゃない?なんだか嬉しくなってツンとほくろを突くと針の小さな手で叩かれてしまった。
「やー!」
「はいはい、ごめんね。僕もちょっと洗いたいからちょっと待っててね。」
…浴槽で待たせてたら溺れるってネットに書いてたな。このまま床の上で大丈夫かな。…それにしても体洗ってる時も思ったけど赤ちゃんお風呂に入れるのめっちゃ気遣うし大変。
ご飯の前も泣き出してどうすればいいか全然わかんなかったし。いや、間違いなく最初が1番大変だったけど。
自分の頭と体も洗い終えて浅い湯船に針と共に浸かりながら今日一日を振り返る。今も溺れないかちゃんと見ておかないといけないしね。
「さ、そろそろ上がろうか。」
「うー。」