第12章 青き蓋はひらき、黄の旗はゆらめいた
自宅にあるものでなんとかなりそうだったので野菜を小さく切ってスープにした。それから自分用の夕食を用意して卓に着く。針はクッションを何枚か重ねて椅子に座らせた。
目の前にコトンとプラスチックの容器に入ったスープを出したはいいけど自分で食べられるのかな?スプーンも大人用だしなぁ、うーん。
悩んだ結果僕がスープを掬って食べさせることにした。針の口元にスプーンを運び後は口に入れるだけ、というタイミングで針はぷいとそっぽを向いてしまった。
「やっ!」
はぁ〜〜〜〜〜〜!?
一体何が気に食わないのか全くわからなかった僕は一度スプーンを器に置いて、針の柔らかくてふわふわな頬っぺたを両手で包んだ。
「何が嫌なの〜?ほらパパに教えてごらん〜?」
頬っぺを内側に寄せているせいで自然と口を尖らせてしまっている針は眉間に皺を寄せてもっと不機嫌そうな顔になる。
「まーまー!!」
んんん!?!!?!
それはつまり…………
「おっぱいってこと…?」
どうしよう、ミルクなんてうちにはないしな。…いやそもそも母親が恋しいという可能性もある。待って待って、その場合は僕どうしたらいいの?
…ああ、なんか奥さんがいない夜の旦那の気持ちになってきた。針に早く会いたいな〜!まぁ目の前の赤ん坊が張本人なんだけどさ。
とりあえずミルクは試してみようか。伊地知パシろ。