• テキストサイズ

呪術廻戦_名前を呼ぶただそれだけで。

第21章 山のうえには常に蛇がひそみ勢いづいている




「……………ということなんだけど。」

その日の晩。夏油傑の言う通り私は乙骨くんと会っていた。

呪力消費のこともあるので一旦夏油傑の呼出を打ち切った後にコガネを使い、乙骨くんの得点を閲覧。仙台コロニー制圧を確認した私は乙骨くんを東京へ呼び出した。

そして、夏油傑の魂を呼び出しに成功したことを伝えた。


「…夏油傑の魂を器に戻す、ですか。」

ローテーブルを挟んで向かいに腰掛ける乙骨くんは、私の言葉を聞いて語尾に溜息のような吐息を漏らした。
そして、数秒考え込むと気まずそうに口を開いた。

「…すみません、僕は正直反対です。…というか、針さんも彼がやったこと目の前で見ていたじゃないですか。」

"彼がやったこと"というのは昨年の12月24日に起きた百鬼夜行の件のことね。乙骨くんから見れば夏油傑はただの反逆者なのかもしれないけれど、私は…悟を通じて夏油傑という人物の片鱗を少し見ている。

羂索の狙いはわからないけれど、天元様と会った九十九さんの報告によるとなぜか人類を天元様と同化させようとしている。

一方で夏油傑は、呪術師を守る傾向にある。つまり彼の標的は呪力を操作できない一般人………。


「羂索と夏油…。どちらがマシかって話ね。」

「どっちもさせません、羂索を倒す。これでいいじゃないですか。」

少しだけ声のボリュームを上げて、乙骨くんは下げていた頭を上げてこちらを真っ直ぐ見つめる。…芯の強い子。

けれど、こちらにもそれなりの考えがある。

/ 230ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp