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呪術廻戦_名前を呼ぶただそれだけで。

第18章 今之感情と昔之感情



「達者でな。」

それから、1ヶ月はあっという間に終わってしまった。私はうちからみなぎる呪力をコントロールする術をある程度は身につけていた。

それでも、

「うちの"弟"が…。あっ、棘、ごめん…。」

まだ完璧なコントロールには至らなかった。


曖昧な表現力で"呼出"すればするほど呪力消費は上がる。反対に保管している呪力を枯らしてしまえばガス欠状態になり無駄な呼出はされなくなるため、私は保有する呪力を減らすためにわざと徘徊する呪霊を祓いに行くようになった。

"霧雨"で呪霊を祓って、消えゆく呪霊を見ながら

「あ、少しストレス発散かも。」

なんて思ったりして。

…そう、薄々気づいていたんだ。



木枯らしが吹くようになった秋のことだ。

「狗巻さんの進路ですが。」

三者面談。オール5が並ぶ1学期の通知表を見て担任も母も期待の眼差しを私に向けた。志望校は夏休み前に私が書いた地元で有名な進学校の名前が書いてあった。



しかし、

「………………呪術高専に、行きます。」

「……え。」


私がそう言うと、担任は目を丸くし、母は今にも泣きそうな顔になった。
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