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呪術廻戦_名前を呼ぶただそれだけで。

第18章 今之感情と昔之感情




______とある朝。

「……針、そろそろ修行の時間だろう。いつまで寝ている。起きんか………………って、なんだこれは!?!!?!?」

「…あ、れ。もう朝…」


私が滞在してる部屋の襖を開けた禪院直毘人はその光景に絶句する。部屋に散らばった光り輝く無数の鉄の欠片。私の手には霧雨の剣柄…だったもの。


「…まさか、本当に霧雨を分解したのか!?!!?!?!?」

「あはは…。」


霧雨を分解するために夜通し呪力消費した私は、すっかり疲弊していた。修行なんてとてもできる状態ではない。

寝巻き姿で目の下に隈を作り、ぐったりする私を見て禪院直毘人は目を見開き、この状況を受け入れ難いのか、ポカンと無言で立ち尽くすと盛大な溜息を吐いた。


「……どのようなカラクリだ。」

「…"コイツ"は、元々一つじゃなくていろんな鉄屑が集まってできた代物だったんだよ。だから、欠片一つ一つに名前をつけた。

"名前"なんて所詮人がつけるものだから…一つ一つに私がつけた名前が馴染むまで呼び続けて、強制的に固有名詞を生み出した。名前が馴染んだ欠片から刀身から外れていくってわけ。」

「…………ふん。落ちこぼれなど誰が言ったのだろうな。」

「あんたでしょ。」

「このままでは使えまい、どれ少し大人の力を借りんか。この状態であれば多少の加工はできるだろう。」


こうして出来上がったのが、1500本ほどの小型ナイフの呪具、"霧雨"である。その日から、少しだけ修行の内容が変わった。呪力コントロールと、さらに体術が加わったのだ。

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