第16章 第16章 千の篇も一に律される
黒閃の打ち込み合い。
最後の東堂くんのフェイントが大きかった。隙の生まれた真人に悠仁くんは一撃を当てた。真人の姿は元に戻り、地面に這いつくばる。悠仁くんに見下ろされた彼はひたらすらに走り出した。
そして、その先に現れたのは…
______豺狼。
…頭が、真っ白になった。
全身の寒気が止まらない。私じゃ…私たちじゃ、勝てない。かつての五条悟の相方。最悪の事件の立役者。
忘れもしない。蘇る12月24日。
どうしてなんであいつがいる。死んだって…悟が殺した…。どうして、違うそうじゃない。
だからあいつは、
絶対に夏油傑なんかじゃない。
「あなた誰なの…。」