第14章 犬は吠えるもなき声は影にひそむ
それからは怒涛の日々だった。
私は無事に一級呪術師として呪術高専を卒業。
呪術高専生には暗黙の了解があるみたいで、卒業してから1年は休まないといけないらしい。…が、私はその話を有り難く蹴らせてもらった。
中学までずっと休暇をもらっていたようなものだし、今休暇をもらったとしてどう遊べばいいのかわからない。
卒業しても私の日々は大して変わらず任務をこなし、時々弟たちと会話をして、五条悟を呼び出して、
気がつけば春になって、悠仁くんが高専にやってきて、七夕の日に五条悟のことが好きだと気がついて、それから恋人になった。
思えば、1年の休暇を取らなくてよかったのかもしれない。
あの日、あの任務に行って催涙雨の彼女に出会わなければきっと、もっとずっと長いこと私たちはもどかしい関係を続けていただろう。
でもそうはならなかった。
放課後の友達との思い出なんてないし、胸を焦がすような、戻りたい日々もない。
でも、それでいい。
私は、今この瞬間確かに幸せだ。
呪術師でよかった。
そう思えるのは五条悟のおかげ。
あなたに出会えてよかった。大好きな人。
あなたも私と同じ気持ちを抱いてくれていたらいいな。
プツリ