第14章 犬は吠えるもなき声は影にひそむ
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「……百鬼夜行、か。」
夏油傑の宣戦布告後、すぐに会議が行われた。特に難航することもなく会議は終わり、私は帰宅してベッドに寝そべりながら天井を眺めていた。
"また会えることを祈っている"、ね。
別れ際に夏油傑が残した言葉。しかし戦力差は圧倒的、夏油傑と次に会うことなんてあるのだろうか。
きっと、夏油傑の顔を最期に拝むのは五条悟だろう。
夏油傑を倒せるのは五条悟だけであり、またその資格を持つのも五条悟。……な気がする。
私は胸のつっかえが取れないまま百鬼夜行に備えて眠りについた。
______そして、来たる12月24日。
私の予想通り、夏油傑と"また会うこと"はなかった。
乙骨憂太、そして五条悟の手によって、夏油傑という人間の物語は呆気なく幕を閉じた。