第17章 超短編集
『家康とりす』(佐助目線)
※()が心の声、「」が声出しのせりふです。※
佐助は部屋で新しい忍び道具を作っていた。しばらくしてクナイがいないことに気付いた。
(さっきまでいたのにどこ行ったんだろう。…仕方ない。心配だから探しに行こう。)
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春日山城内にはどこにもいなかったから安土城まで来てみた。
(この前クナイを連れてころんさんのところに行ったらクナイが結構懐いてたからいるかもしれない。ころんさんも喜んでたし。
…おっと、今はクナイを探さないと。)
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安土城内にもいなかった。
(どこ行ったんだろう。もしかしたら春日山城に帰ってるかもしれない。ん?これは…。クナイ用のまきびし…。こっちか。)
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クナイ用のまきびしをたどっていくと家康の御殿に着いた。
(ここは!!家康さんの御殿!!
顔に出てないけど俺は今めちゃくちゃ興奮してる。では天井裏からお邪魔します。…あ、いた。クナイが家康さんと戯れている!!こんな家康さんは貴重だ。)
すると家康が顔を上げたのでバッチリ目が合う。
「「あ。」」
(俺としたことが。見つかってしまった。)
家康「…なんでいるの。」
佐助「お邪魔してます家康さん。そのりすは俺のです。」
天井裏から飛び降り綺麗に着地を決める。
(よし、完璧だ。)
家康「ふーん。じゃあはやく連れて帰って。」
佐助「ありがとうございます家康さん。ではまた来ます。」
家康「来なくていい…。」
佐助はまた天井裏に戻ってクナイと一緒に薄暗い天井裏を進む。
(今日は家康さんと会えたし、塩対応も頂けたから幸せだ。)
こうして佐助はクナイと一緒に春日山城へ帰りましたとさ。
Fin.
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2021年5月5日
管理人 ころん