【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
本当に、こいつには敵わないな。
俺はサラの手を取ると、またサラの唇に自分の唇を重ねる。
もう日は落ちているが、ここは水族館の最寄駅に向かう途中の道端で、行き交う人々が堂々とキスをする俺たちを怪訝な顔をしてみている。
だがそんなのは、どうでもよかった。
サラに触れたい。キスをしたい。
そう思った時に出来る奇跡を感じたい。
それはサラも同じのようで、いつもは途中でそろそろおしまい。と俺を止めるのに、止めようとしない。
マズイな。このままじゃ俺この場でサラの身体に触れてしまいそうだ。
「サラ…腹減っただろ?
飯食いに行こう」
「えー。…もうちょっとキスしたい…」
サラは恥ずかしそうに顔を赤らめながら、俺を上目遣いで見て言う。
その顔、ヤバい。
ほだされそうになる。
俺は必死に自我を保ちながら続けた。
「お前の好きな肉が食える店を予約してある」
「よし!お肉食べに行こう!」
現金なやつだな。
そういう単純なところも、可愛くて好きだと思ってしまうのは、もう病気に近い。
俺はサラの手をぎゅっと握った。
この先もこうして手を取って、一緒に歩いていきたい。
ずっと、一緒に