【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
赤井side
サラに指輪を渡すと、泣きながら喜んでくれた。
俺が想像していたよりもずっと。
正直、要らないと言われたらどうしよう。と考えていたから、ホッとした。
あの日も、この観覧車で俺はサラを泣かせた。
今日と180度違う理由で。
と言うか、今日に至っては泣くよりも笑ってくれよ。と思うが、こいつは泣き虫だから仕方ないか。
観覧車を2人で手を繋いで降りた。
前は、サラをそのまま置き去りにした。
あの時、何度も何度も これで良い。と自分に言い聞かせたが、今日はこうしてサラの手を握って降りることができた。
「赤井さん。」
しばらく手を繋いで歩いていると、サラがゆっくり話し出した。
「わたしね、あの日どうやって家に帰ったかよく覚えてないの。
フラフラ歩いてて、雪が降ったのはなんとなく覚えてるんだけど…」
「雪…降ったな。」
「うん。でも、今日は一生忘れないと思う。
こうやって、手を繋いで帰ったよねって。
何年後でも覚えてる自信あるよ」
そう言って笑うサラを見て、俺は思わずサラの唇を奪った。
「…赤井さん…?」
「あの時、1人にして悪かった。」
「ううん。だって、赤井さんも同じぐらい痛かったでしょ?」
「え…」
「サヨナラを言う方も、言われる方も、どっちも同じだけ痛いもん。
わたしも、赤井さんが考えてること何も知らずに、捨てられたなんて思ってごめんね。
わたしを守ろうと必死になってくれてたのに…」
そう言うとサラは、俺の目をじっと見ながら、俺の頬に手を寄せた。
柔らかくて、繊細な手が俺の頬をゆっくりと撫でる。