【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第7章 この夜を止めてよ☆
1階からクリームシチューの良い匂いがしてきた頃、眠っていた女性が目を覚ました。
「あ。気がついた?」
「…ここは…?」
キョロキョロとあたりを見渡す女性に、水を手渡しながら話を続けた。
「ショッピングモールで、具合が悪そうだったんで、勝手とは思ったんですがわたしの家に運んだんです。
だいぶうなされてましたけど、気分はどうですか?」
「ああ…そうなの。
ごめんなさい迷惑をかけてしまって。
お陰でだいぶマシになったわ。ありがとう」
彼女はそう言って水を受け取り、コクリと口に運んだ。
「…あの、失礼ですが…お名前は?」
「ああ。そうね。
ジョディスターリングと言います。
日本で英語教師をやっていて。」
「ジョディ…」
わたしはその前を聞いてハッとした。
忘れもしない、赤井さんの電話の相手が言ってた言葉。
ただの同僚じゃなかったひとだ…
つまり、元恋人ってこと…?
だからさっき、ショッピングモールでこの人を見つけた時、躊躇なく抱き上げたんだ…
「あの…?」
放心状態に陥るわたしに、ジョディさんは少し心配そうに顔を覗き込んだ。
「あ。すみません…。」
「本当にありがとう。
実はこのところちゃんと眠れてなくて…
今日も気分転換に買い物でもしようとモールに行ったんだけど、途中で急に体調が悪くなっちゃって。」
「そうなんですか…眠れないと身体にも毒ですよね…」
「ええ。…大切な人を、亡くしてしまったから
…まだ立ち直れてなくて」
そう言って切なそうに笑う彼女を見て、心が痛んだ。