• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第7章 この夜を止めてよ☆




「クリームシチュー楽しみー!」

「今から帰って作ると、ちょうど夕食どきですね」


そんなことを話しながら、スーパーの袋を下げて駐車場へ向かう途中、ちょうど人気の少ないところに女性が一人蹲っているのが見えた。

わたしは咄嗟にその女性に近づき、後ろ姿が日本人じゃないことに気付き英語で声をかけた。


「Are you OK?」

「あ…すみません。気分が悪くなって…」


日本語…ペラペラなんだ。
ちょっと驚いたわたしをよそに、その女性は本当に辛そうに頭を押さえている。


「大丈夫ですか?医務室…」


そう言って医務室に連れて行こうとした時、沖矢さんがそれを静止した。


「医務室は、モールの端だ。
車で家に連れて休んでもらう方が早い」


そう言うと、沖矢さんはその女性を何の躊躇いもなくひょいっと抱き上げた。

その仕草にわたしは何となく違和感を覚える。
初対面の女性に、一言も声かけずに抱き上げる…?


「サラ。行こう」

「あ、うん!」


その女性が持っていた荷物と自分たちの荷物を抱えて、わたしは車へと急いだ。

女性を後部座席に寝かせ、わたしは助手席でバックミラーから女性の様子を見た。
うなされているようで、早くベッドで休ませてあげた方がいいな…

そう思った時、


「シュウ…」


その女性がポツリと朧げに言った。
何だかわからないが嫌な予感がした。
その違和感が何かは考えてもわからず、車はすぐに工藤邸へと到着した。

沖矢さんはまた女性を抱き上げ、わたしも荷物を持ってその後を追う。


「俺の部屋で寝かせる。」


完全に口調が赤井さんになっているのだが、問題はそこじゃない。

普通わたしの部屋じゃない…?
何となく、感じてたことがだんだん一本の線で繋がってくる。


「僕は下で夕食の準備をしておくので、サラは看ていてくれますか?」

「うん。わかった。」


沖矢さんが部屋を出た後、わたしは椅子に座ってその女性が目を覚ますのを待った。
時折、額の汗を拭いてあげると、何度も苦しそうに
「シュウ…」
と、こぼしていた。
そして、じわりと目に涙が浮かんでいる。

この人、前でどこかで…
しかし考えてもピンと思い浮かぶ人がいない。

何だろう。このモヤモヤ。
その正体がわかるのは、2時間後だった。

/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp