【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
「う〜…っ…」
「お前は、本当にすぐ泣くな」
わたしは、右手にはまった指輪を抱きしめるようにして、溢れる涙を拭った。
こんなの、泣くなと言われても無理だ。
あの日、別れようと言われたときも、この場所でたくさん泣いたけど、この涙は前とは違う。
幸せすぎて苦しい涙。
「サラ。ずっと一緒にいてくれ」
あの日言われた「別れよう」と言う言葉と、まるで反対の事をこの観覧車で言われた。
わたしは、泣くのに必死で、可愛い顔ひとつできない。
完璧じゃない、ただの女の子だけど、一緒にいてもいいの?
「わたしも…赤井さんと、ずっと…一緒にいたい」
「…良かった」
泣きながら、そう言うと赤井さんは涙を拭うわたしの手を取った。
「I love you…赤井さん…」
初めて、わたしから愛してると言う言葉が溢れた。
今まで、誰にも言ったことなかった。
言う前に、わたしの大切な人たちは、みんないなくなったから。
愛してると伝えることができる
それがどれだけ奇跡か、わたしたちは痛いほど知ってる。
赤井さんの顔が、わたしにどんどん近づいてくる。
キスをされる前に、わたしは咄嗟に目を閉じた。
目を閉じた拍子に涙が溢れて、ぽろ…と頬を伝って、唇が重なる瞬間、涙は赤井さんの頬に移って伝った。
ゆっくりと唇を離して、赤井さんが言った。
「…I love you too」
今日のこの日を、わたしは一生忘れない。