【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
赤井side
俺は、日本人の父と日系イギリス人の母の間に生まれた。
3兄弟の長男だ。弟と、妹がいる。
15歳までイギリスで育ち、その後日本に来日。
留学とかこつけて、渡米して向こうの大学に入り、アメリカ国籍を取得した。
そして、FBIに入局した。
俺がFBI捜査官になった理由は、父が消息不明となったある事件を捜査するためだ。
父の遺体はまだ発見されていない。
そしてその事件は不可解な点が多かった。
FBIに入った俺は、父の事件の真相を探る中、例の組織が関係している事を突き止めた。
その組織に潜り込むために近付いたのが、宮野明美だった。
最初は、目的のため。それしか考えていなかった。
自分の本名も職業も隠し、あいつに話したことはほとんどが嘘偽りだった。
だが、一緒に過ごしているうちに、だんだんと、あいつといるのが心地良いと感じるようになってきた。
今思えば、その時に気付くべきだった。
自分の気持ちにも、あいつの気持ちにも。
そして、例の組織の中心人物に会うことになった時、俺は明美に自分の正体を明かした。
FBIだと言うこと、最初からあの組織に潜り込むために近づいたこと。
だが、あいつは知っていた。とっくに気づいていて、それでも気付かないふりをしていた。
俺の前では平気なフリをして、陰で泣いているような女だった。
前に、キャメルが話したことあっただろ?
ちょっとしたミスで、俺はFBIだと組織にバレ、追われる立場になった。
それから明美とは連絡をとっていなかったが、
1年後、組織を抜けると連絡が来た。
大きな仕事をやり遂げたら、抜けると約束を取り付けたと。
そして、今度こそちゃんと、彼氏として付き合ってほしいと、メールが届いた。
俺も、今度こそやり直したいと思っていたが、
あいつはジンに殺された。