【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
プラネタリウムで、赤井さんの腕の中で見たハワイの星空は、すごくすごく綺麗だった。
前に来た時は、空が泣いてるような気がしてたのに、今日はキラキラ輝いて見えた。
星を見ながら、赤井さんの胸に寄り添うと、赤井さんの心臓の音が聞こえる。
逞しい胸板の中で、どくどくと脈打つ音を聞いてると、赤井さんが生きてること自体が愛しくてたまらない。
今度こそ、ずっとずっと一緒にいられますように。
何度もそう願った。
プラネタリウムを出る頃には陽が傾いていて、あの観覧車の時間がやってきた。
今日は絶対大丈夫。
そう思うのに、足がすくむ。
あの日、あの時、別れようって言われたあの瞬間、全部が真っ暗に塗りつぶされたような恐怖。
今でも鮮明に覚えてる。
赤井さんは、ぎゅっとわたしの手を握った。
今日は、絶対大丈夫
もう一度自分にそう言い聞かせて、わたしは赤井さんとゴンドラに乗り込んだ。
座るのは向かい合わせ。
隣には座らなかった。
窓の外を見ると、あの時と同じ。
夕焼けが燃えていて、わたしたちも、街並みも全部飲み込まれてしまいそうな、燃えるみたいなオレンジ色。
怖い。このオレンジが、怖い。
そう思ったのを覚えてる。
赤井さんを恐る恐る見ると、以前と同じように窓の外を眺めていた。
わたしは、この緊張感のある空気を壊したくて、ワザと明るく赤井さんに話しかけた。
「ね、ねぇ!赤井さんにプレゼントがあるの」
「え?」
「あの日、渡せなかったから」
そう言ってバッグから、赤いリボンをかけてもらった箱を取り出した。
赤井さんに渡すと、赤井さんは優しく笑った。
「ありがとう」
「…うん。…あの、隣に行ってもいい?」
「…いや、このままがいい」
ドク…とわたしの心臓が鳴った。
あの日と同じ…
あの日も、隣に行きたかったのに、ダメだと言われた。
たったこれだけで、息がうまくできなくなる。
赤井さんは、そんなわたしを見透かしたように言う。
「…サラ。
お前に、聞いて欲しいことがある。
そのまま聞いてくれるか?」
「う…うん…」
なに?何の話?
まさかこの流れでまた別れ話じゃないよね…?
不安ばかりが胸に募ってく中、赤井さんは静かに話し始めた。