【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
「お前といると、毎回驚かされることばかりだよ」
髪を乾かしていると、赤井さんが呆れたようにそう言って、わたしからドライヤーを取り上げ、わたしの髪を乾かし出した。
最近、赤井さんが髪を乾かしてくれることが多い。
赤井さんに髪を触られると、毛先にまで神経が通っているんじゃないかと思うぐらい、くすぐったくてドキドキする。
髪を乾かしてもらいながら上を見上げると、わたしを見下ろす赤井さんと目が合う。
この角度でもかっこいいって、一体どうなってるのこの人。
じーっと赤井さんの顔を見つめていると、赤井さんはちょっと笑いながら優しく言う。
「こら。前を見ないと乾かせない」
その、こら。って言い方も好き。
ふふっと笑いながらおとなしく前を向いたわたしは、自分の服をタオルで拭いた。
「イルカショーがこんなに濡れるなんて知らなかったよ。でも、楽しかった!」
「それは良かった。」
「赤井さんは?楽しい?」
「ああ。」
「どのぐらい?」
「…幸せで、怖いぐらいだ」
赤井さんはそう言って、ドライヤーのスイッチを切ると椅子に座るわたしの前に来た。
ドライヤー音が鳴り止んで、妙にシンとした部屋
赤井さんの方を見ると、赤井さんの翡翠の瞳と目が合った。
「…赤井さんも、髪濡れてるよ…?」
「あぁ。すぐ乾く」
そう言いながら、赤井さんはわたしの頬に手を寄せ、顔を少し上に上げると、斜め上からわたしの唇を奪った。
「ん…」
少しだけ長めに口づけてそっと離すと、おでこをくっつけて
「…好きだ」
そう言い、またわたしが返事をする前にキスを重ねた。
わたしも、好きだよ
大好き。
何度も心のなかでそう唱えてた。