【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
赤井side
イルカショーでずぶ濡れになった服は、貸してもらったドライヤーと、5月の気温のおかげで割と早めに乾いた。
その足で、手を繋いでプラネタリウムに向かった。
「楽しみだね!前と違うプログラムだし」
そう言って、前と同じ、後方の座席に座ろうとするサラを止めた。
「そっちじゃない」
「え?でも前はこの辺で」
「今日はあっち」
そうやって俺が指さしたのは、前方にある、2人で寝転びながら星が見れる席だった。
「わ!すごい!雲みたいなクッション」
座るや否や、サラはその中で楽しそうに笑ってご満悦だ。
俺もサラの隣に寝転がると、サラは小さい声で言った。
「なんか、家以外でこんな風に2人で寝転がるの、変な気分だね」
そんなことを言われると、こっちまで妙な気分になってくる。
うっかりいつもの癖でサラを抱き寄せてキスをして、舌を入れて…その先に進んでしまいそうになる。
危ない危ない。
自分の中で邪念を払うように目を閉じていると、サラは俺の袖をくいっと引っ張った。
「何だ?」
「…今日は、手繋いでくれる…?」
少しだけ、泣きそうな顔をしながらサラがそんな事を聞いてきた。
そうだな。前はサラがずっと手を繋ぎたそうにしていたのに、俺は繋げなかった。
プログラムが終わるまで、肘掛けにずっと、寂しそうにサラの手が残っていたのをよく覚えている。
俺は、サラの手を取りながら言った。
「ずっと、繋いでる」
そう言って、握ったサラの手の甲にキスをして、じっとサラを見つめた。