【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第44章 Back to December ☆
水族館の展示の最後に、イルカショーはこちら。という看板が立っているのを見つけた。
「あれ!イルカショーやってるよ!」
あの日は、冬だったからイルカショーはなかった。
わたしは赤井さんの手を引きながら、目を輝かせて言う。
「ねぇ!イルカショー見ようよ!」
「…プラネタリウムの時間までまだ2時間はあるか…」
赤井さんは腕時計を確認してから、わかったわかったと言いながらわたしの肩に手を回してイルカショーへ向かった。
日曜ということもあり、席はほぼ満席。
前の方に数箇所、後ろの方に数箇所空いている程度だった。
「どうせなら前のほうに座ろうよ!」
「知らないのか?イルカショーは…」
「うん!初めてきた!
イルカが芸するんでしょ?
楽しみ!ほら!はやくはやく!」
赤井さんの話を最後まで聞かずに、わたしは赤井さんの腕を引いて、半ば強引に一番前の席に座った。
そんなわたしを呆れた目で見ながら、赤井さんがため息を付いた。
「お前、後悔しても知らないからな」
「?なに?」
「いや。いい。お前が楽しそうなら」
何となく含みを持たせた言い方に気になりつつも、目の前にイルカが登場したらわたしはもう水槽の方に夢中だ。
イルカはトレーナーのお姉さんの投げたボールを空中で華麗にキャッチした。
思わずわたしは拍手をしながら大興奮だ。
「すごーい!イルカって頭いいんだね」
そんな呑気なことを言った次の瞬間、わたしの目の前からありえない量の水飛沫が飛んできた。
バッシャーーーーーン