【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第42章 Lemon
次の日、デートの終わりに繋いでいた手を離して、俺は口を開いた。
「俺はFBIだ。
明日、あの組織とケリをつけにいく」
「…あはは。バカねー。
つくならもっとマシな嘘を」
明美はそう言ってわざとらしく笑った。
下手くそな笑顔で、俺はすぐにピンと来た。
「お前、知ってたな?
知っていて、なぜ俺から離れなかった?
お前を騙していたんだぞ」
両肩を掴んでそう怒鳴ると、明美は笑いながら言う。
「言わなきゃ、わかんない?」
目に涙を溜めて。
その表情で初めてこいつの気持ちに気付いた。
俺は、一体こいつの何を見ていたんだろう。
あんなに一緒にいたのに。
何一つ、気づいてやれなかった。
ずっと、嘘をついて騙していたのに、俺のことを想っていたのか…?
そして今、この涙を見て、俺はこいつを守ってやりたいと心底思った。
今更気付いてももう遅いのに。