第7章 この夜を止めてよ☆

「15時か…。休憩がてらコーヒーでも飲みますか」

「うん！」


買い物もひと段落して、わたし達はショッピングモール内のカフェに入った。
こんな風に男の人とカフェするのは初めてでドキドキする。

沖矢さんはブラックコーヒーを頼み、わたしはココアを頼んだ。


「ココアって。子供ですか」

「いいじゃない。甘いのが好きなの」


そう言いながらコーヒーを飲む沖矢さんはとても大人びて見えた。
まあ実年齢わたしより10近く上だからそりゃそうなんだけど。

でもよく見ると、背は高いしまつ毛も長いし、頭はいいし、指も綺麗…
あの指が、わたしを…
そこまで考えて、ぼっと顔を赤くする。


「だいたい欲しいものは買えましたか？」

「あっ。うん。生活に必要なものは大体！
あ、そういえばあか…沖矢さん、何か買うものがあるって言ってなかったっけ？」

「もう買いましたよ」

「いつのまに…」


ほとんどわたしの買い物に付き合ってくれていたのに、自分の買い物をする暇あっただろうか。


「今日は夜どうします？何か食べて帰りますか」

「うーん。せっかく色々買ったから、家で使いたいかも」

「了解。じゃあこのモールにあるスーパーに寄って帰りましょうか」


「あ！その前に、ちょっとお手洗い行ってきてもいい？沖矢さんはそのままコーヒー飲んでて！」


沖矢さんは少し不思議そうにしたが、わたしは半ば強制的にトイレに行くふりをして店を出た。