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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第41章 Lover




赤井side


朝、俺は珍しくサラに叩き起こされた。


「赤井さん!空港行くよ!
セリーナさんを見送ってあげて」


サラから発せられたまさかすぎる言葉に俺は耳を疑う。


「…どうして俺が。
それにどうしてお前がそんなことを言う…」


こいつ、セリーナに何をされたのか、もう忘れたのか?
そう思いながらサラを見ると、俺を真剣な目で見て言った。


「赤井さん。過去は変えられないよ。
セリーナさんと、付き合ってたのは事実でしょ?
少しでも、好きだって思ってたんでしょ?
だったら、こんな風にすれ違ったまま別れないで。
ちゃんと、握手してサヨナラして終わってよ。
でないとわたし、これから赤井さんと時間を過ごして行く中で、セリーナさんのことずっと頭に引っかかったまま隣にいなきゃいけない」


お人好しだな。

自分が何をされたとか一切無視で、俺やセリーナのことばかり考えて。

お前が自分自身のことを一番に考えていないんじゃ、俺がお前を一番に考えてやるしかないだろ?

フゥとため息をつくと、サラはじっと俺の方を見た。


「…お前は、後悔しないか?
仕事でまた顔を合わすこともあるかもしれないんだぞ」

「しない。このまま、モヤモヤしたままの方が嫌!」

「…お前の頼みなら、無視するわけにはいかないな…」


そう言うと、サラはぱあっと顔を明るくして、はやく!はやく!と急かした。

俺は腕を引っ張られながら顔を洗い、身支度を整えると赤井秀一のまま、キャップとサングラスをしてスバルに乗り込んだ。


「…で、何時の飛行機か知ってるのか?」


助手席に座るサラにそう聞くと、サラはケロッとした顔で答える。


「知らない」

「はぁ?!」

「だから朝早く起こしたんだよー!
まだいるといいけど…」


このまま車を飛ばしても、セリーナに会える確率の方が低いんじゃないのか…

半ば諦めモードに入りながらも、サラの気の済むまでやらせてやろう。と、俺は車を走らせた。





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