【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第41章 Lover
家に帰ってくるなり、赤井さんはびしょ濡れのわたしを抱きしめた。
「…お前は…心臓に悪い。」
「ご、ごめん…」
「またお前に何かあったのかと思った。
焦ったよ」
そうやって赤井さんはわたしを抱きしめる力を一向に緩めない。
ギュッと強く抱かれながら、わたしは赤井さんに尋ねた。
「赤井さん…いいの?
セリーナさんのこと、あんな風に…」
「俺はお前が一番大切なんだ。
他のことはどうでもいい。」
「…でも、これから赤井さんにとって、セリーナさんは思い出したくない過去になっちゃうの?」
そう聞くと、赤井さんがわたしの頬に手を寄せて、わたしの目を見た。
「…そんなの…」
「…そんな顔をするな。
お前は、もっと自分のことを一番に考えろよ…」
赤井さんはそう言って、わたしの口をキスで塞いだ。
数秒口付けてそっと離すと、赤井さんがわたしの目を見て言う。
「俺の過去も、未来も、全部お前にやると決めたんだ」
ねぇ、赤井さん。
わたしはこんなに赤井さんに愛されてるけど、それって本当に奇跡なんだよ。
たった1%何かが違っていたら、セリーナさんの立場はわたしだったかもしれない。
そう思うと、この先赤井さんと一緒にいる中で、セリーナさんのことをまるで地雷を避けるみたいに気をつけて過ごすのって、しんどいじゃない。
赤井さんにとって、史上一番の女の子になりたい。
そんな夢を赤井さんは叶えてくれた。
それだけでわたしは強くなれるから。
わたしを抱きしめる赤井さんの背中にぎゅっと腕を回して、ずっと考えてた。
この先、赤井さんの隣にずっといるために、わたしが今できることを。