【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第41章 Lover
すると、赤井さんはわたしとセリーナさんの間に身体で割って入り、わたしを身体で守るみたいに背を向け、セリーナさんを睨んだ。
「サラに何をした?」
「…何もしてないわよ」
「いい加減にしろ。」
赤井さんに物凄い形相で睨まれながら低い声でそう言われ、セリーナさんの目に涙が溜まっていく。
「あ…赤井さん。違うの」
「サラ。お前は黙ってろ」
赤井さんはそう遮って続ける。
「セリーナ。
俺はお前とやり直す気はない。
何度言ったら分かる?
お前のことを好きになることは一生無い。
二度と俺たちの前に現れるなって言ったはずだ。
早々に破ってここでサラをまた危険な目に遭わせようとして。
いい加減にしろ!」
怒った赤井さんは、めちゃくちゃ怖い。
恐る恐るセリーナさんを見ると、泣くのを必死に我慢していて、わたしは思わず赤井さんに言ってしまう。
「ひ…ひどいよ赤井さん。
…セリーナさんはほんとに赤井さんのこと好きなんだよ?」
「…お前…
こいつの味方してどうするんだよ。
お前こいつに何されたか忘れたのか?」
「お、覚えてるけど!
…今日はわたしが勝手にセリーナさんの探し物探してたの。一緒に」
「探し物?」
「…この子が、探してくれたの…これ。」
セリーナさんはそう言いながら、赤井さんに指輪を見せた。
「覚えてる?
シュウと別れる時、わたしが泣いて縋って無理矢理これを貰ったの。
シュウがよくつけてたから」
そういうことだったんだ…
わたしはてっきり赤井さんからセリーナさんへプレゼントしたものだと思っていたから、なんとなくホッとしてしまう。
「あぁ。」
「でも、もういいわ。
持ってたって、シュウの気持ちは戻ってこないし…」
セリーナさんは切なく笑った。
「…私、明日アメリカに帰る。
もう二度と、シュウに会わない。」
セリーナさんはそう言って、今度はわたしの方を向いた。
「一緒に探してくれて、ありがとう。
あと、酷いことをしてごめんなさい」
「い、いえ…」
そして、赤井さんの隣を通る時、小さな声で言った。
「Good bye」