【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第41章 Lover
捜索開始からすでに1時間経過した。
「ないー!ほんとにここに落としたの?」
「落としたわよ!確かこの辺に…」
もう敬語を使うことすら忘れ、わたしたちはブーブー文句を言い合いながら探し続けている。
だんだん、あたりは暗くなってきてさらに探すのが難しくなりそう…
「だいたい、そんな大事なものどうして落とすのよ」
「…投げ捨てられたのよ!」
「もー!誰に?」
一向に見つからないこの状況に少し苛立ちながら、バシャバシャと川の水をかき分けて底を手探りで探しながら投げやりにそう聞くわたし。
「…あなたを襲ってくれって頼んだオトコ」
「…」
なにそれ…自業自得じゃない…
尚更、なんでわたしこんなに必死に一緒に探してるんだろう…
わたし、この人のせいでレイプされかけたんだよ…
「自業自得だって思ったでしょ」
「思った。」
「自業自得でもいいわよ。
私は、シュウをもう一度手に入れるためなら何だってするんだから…」
そうやってセリーナさんは、綺麗な顔に泥が跳ねても構わず赤井さんから貰ったという指輪を必死に探してる。
「…すごいね。セリーナさんは。」
思わずわたしから出た言葉はそれだった。
「え…」
「…わたし、一度赤井さんに振られたことあるの。
そのときは、そんなガッツ湧いてこなかった。
ただ辛くて、苦しくて、毎日泣いて…
絶対わたしのこともう一度好きにさせる。
なんて思えなかった。
…強いね。」
「なによ…でもあなたは、シュウに選ばれてるじゃない!結局…
いい子ぶらないでよ!」
セリーナさんはわたしに向かってバシャッ…と川の水を投げ掛けて来た。