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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第41章 Lover




セリーナさんはわたしに気づかず、無心になって何かを探してる。


「セリーナさん」


少しだけ大きい声で彼女の名前を呼ぶと、セリーナさんはその綺麗なアーモンドアイでわたしに目を向けた。


「…あなた…」

「何、やってるんですか?風邪ひきますよ?」

「ほっといて!」


そう言って一蹴すると、セリーナさんはまた川の中に手を突っ込んで何かを探してる。


「…何か、探してるんですか?」

「…シュウにもらった指輪…落としたの」


赤井さんにもらった指輪…
赤井さん、セリーナさんに指輪渡してたんだ…
あの赤井さんが…

ショックだった。
指輪を渡すって、わたしの中ではもうほとんどプロポーズと同じだと思っているから。

こんな恋敵で、元カノで、しかもわたしのことを襲わせようとした人。

安室さんの言う通りだ。
放っておこう。
むしろ見つからなければいい。

そう思って川から離れようとした時、セリーナさんの姿がかつての自分にダブって見えた。

あのキャンプ場で、赤井さんから貰ったネックレスを必死に探していたあのときのわたしと。

きっと、セリーナさんにとってはお守りと同じ大切なものなんだ。

わたしは思わず靴と靴下を脱いで、川の中に入った。


バシャバシャと音を立ててセリーナさんの方へ近づくと、セリーナさんは驚いてわたしを見た。


「あ、あなた何やってるの?!
上がりなさいよ!危ないから!」

「どんなやつ?指輪。」

「え…」

「落とした指輪、特徴教えて。一緒に探すから」

「…太めの幅の…男物の…」


それだけ聞くと、わたしも川の中をかき分け、探し始めた。

何やってるんだろうわたし。

そう思うのに、わたしは夢中になってその赤井さんがセリーナさんに渡したと言われる指輪を探した。


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