第41章 Lover

セリーナside


私は完全にシュウに嫌われた。

シュウは私を、まるでゴミを見る目で見てきた。
当然よね。
シュウの大事な宝物にあんなことしたんだから。


でも、どうすればよかったの？
言葉で何を言ってもシュウは聞いてくれない。
シュウの中では終わってるかもしれない。
だけど私の心はまだ好きなままなの。


忘れようとしても、忘れられないこの気持ちは一体どうすればいいの…

やり場のない想いを抱えながら、私は気分転換に散歩に出かけた。


歩きながら、ふとポケットから取り出したのはシュウが大学時代にしていた指輪。

別れる時、私が泣いて縋って、その指輪を思い出として欲しいと駄々をこねて無理やりもらった、シュウとの唯一の思い出の品。

シュウに愛してもらえないんじゃ、日本にいる意味もないわね…

そう思いながら指輪を眺めて川のほとりを歩いていると、後ろから誰かに腕を捕まれた。


「おい」


パッと振り返ると、そこにいたのはわたしがお金を払ってあの仕事を依頼した男だった。