• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第40章 消毒 ☆




頭の中で色々考えを巡らせながら夜空に向かってフーッと煙を吐いていると、バルコニー沿いの窓がガラッと開いた。


「赤井さん」


まだ髪が半分濡れた状態のサラが、バスローブを着た状態でバルコニーに出てきて、タバコを吸う俺に抱きついてきた。


「…こら。湯冷めするぞ」


ぎゅっと俺にしがみつくサラを抱きしめてやりながら髪を撫でてそう言うと、サラはしゅんと下を向いて言う。


「…ごめんね」

「?何が」

「…ネックレス、せっかくもらったのに引きちぎって投げつけちゃって…
昨日謝るの忘れてたの。」


サラはしゅんとしながら俺の胸に顔を埋めた。

馬鹿だな。
そんな顔するなよ…
たかがネックレスなのに。


「…サラ、あそこにあるあれ、何だ?」


サラの気を逸らそうと、バルコニーから見えるベルツリーの光を指差して言うと、サラはあっさりと引っかかる。


「え?なになに?」


サラが向こうを見た瞬間、俺は履いていたデニムからサラが投げつけたネックレスを取り出し、後ろからサラの首にかけた。



「…え…どうして…?
だって、切れて…」

「今日の昼、買ったところに持っていって、直してもらった」

「ほんと…?」

「…俺の飼い猫って首輪だからな」


そう言うと、サラは俺の方を見て涙を溜めながら言った。


「ありがとう…わたし、赤井さんに大切にしてもらってばかりで、なにも返せてない…」

「そんなことはない」

「そんなことあるよ…」


そう言って泣きながら俯くサラをぎゅっと抱きしめ、髪を撫でながら頬にキスをする。


「サラ…お前は、俺のそばにいてくれさえすれば、それでいいんだ」


嘘偽りない本心を伝えると、サラはまた目に涙を溜めて俺を抱きしめ返してくる。


「好き…」


春の風が、2人の熱った頬を冷やして、俺達はまたぎゅっとお互いをきつく抱きしめた。


/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp