第40章 消毒　☆

「…ほら、中に入ろう。風邪引くから」

「うん。」


タバコの火を消して、サラの肩を後ろから押すようにして家の中に入った。

サラをソファーの前に座らせると、俺は脱衣所からドライヤーを取って来て、サラの後ろのソファーに座った。

後ろから、タオルで髪をわしゃわしゃと拭いてやると、サラはケタケタ笑いながら言う。


「もー！もっと優しくしてよね」

「乾かしてやるんだから、ありがたく思えよ」

「ふふっ」


俺はドライヤーのスイッチを入れて楽しそうに笑うサラの髪に当てた。
指にサラのサラサラの髪が絡む。


「…髪、伸びたな」


俺と別れて切った髪は、だんだん元の長さに戻りつつあった。
それが嬉しくて、思わずサラの髪にキスをする。


「もう、切りたくないから…」

「あぁ。わかってる」


俺はそう言いながら、後ろから羽交い締めするみたいに力一杯抱きしめ、サラの頬や首、耳にキスをする。


「くすぐったいよ」


サラは幸せそうに笑いながら、俺の腕をきゅっと握った。




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