【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第7章 この夜を止めてよ☆
「それじゃあ、行きますか」
沖矢さんの車に乗り込み、近くのショッピングモールに向かった。
運転する沖矢さんの顔を助手席から横目でじっと見つめると、その視線に気付いた彼が首を傾げた。
「何か?」
「あ、ううん。本当に別人だなーと思って。」
わたしはスパイをやってた時、あまり変装をしなかったから、特殊メイクの凄さをまじまじと見つめた。
「別人なら、君は絶賛二股中ですか」
「え…」
そう言って沖矢さんは、信号待ちの間にわたしにキスをした。
かあっと顔が熱くなり、心臓が高鳴る。
沖矢さんとキス、久しぶりな気がする。
「ふ…。いちいちそんな可愛い反応していると、このままUターンして家で襲いますよ」
「おそっ…?!」
「冗談です」
冗談ですか…
ホッとしたような残念なような複雑な気持ちが顔に出てしまう。
「襲ってほしかったのか?」
「ち、ちがいます!」
ふふん。とわたしを試すようにそう言う沖矢さんに、口では全然敵わなくて、わたしは思わずぷいっと窓の外を見た。
そうしているうちに車は米花ショッピングモールへと到着した。