第39章 BlankSpace ☆

ゆっくりと離すと、赤井さんがわたしの頭を撫でながらまた頬に手を添えた。


「顔、赤い」

「…酔っ払ってるから…」


赤井さんの冷たい指が、わたしの頬に触れる。
ピク…と身体が反応すると、徐々に赤井さんの顔が近づいてくる。


「サラ…好きだ…お前以外、何もいらない」


そんなことを言われると、上手く息ができなくなる。

わたしだって、赤井さん以外、何もいらない。
わたしの全部、赤井さんのものなんだから。
赤井さんの全部、わたしのものって思っていい？

じっと赤井さんの瞳を見つめながら、ゆっくりと唇が重なった。
指を絡めて、何度か角度を変えてキスをしていると、堪らず赤井さんの舌がわたしの口内を犯す。


「ん…ぁ…」

「…サラの味だ」

「ん…っどんなあじ？」

「甘い…」

「赤井さん、甘いの嫌いでしょ？」

「サラだけは、特別なんだよ…」


そう言いながら、赤井さんはわたしのキャミソールの紐をゆっくりとずらした。

いつもより、優しくゆっくりとわたしの全部味わい尽くすみたいに。

ずるいひと。
こうやって、わたしを夢中にして、虜にして、心も身体も全部、支配してくる。