第39章 BlankSpace ☆

すると、サラはだんだん酔っ払ってきたようで、僕の肩をガッと両手で持ちながら聞いた。


「じゃあ！あむろさんは、今、わたしが裸でえっちしよ？って言ってもしないの？？？」

「……」


するに決まってる。
いや、でもそれは僕がまだサラのことを好きだからで。
元カノだからとかじゃなく、サラだから…


「なんでだまるの…」

「飲み過ぎですよ。」

「飲まなきゃやってられないのー！！」


そう言ってまたサラはテキーラを流し込んだ。

だんだん目が据わってきたサラを見て、バーのマスターに僕が目配せをして、ショットグラスに入ったテキーラを少し薄めてもらうが、すぐサラにバレた。


「あー？！水で割ったでしょ？
やだ！全部ストレートで行くから！
つぎはージンー！」


サラの暴走を止められず、結果僕もサラに付き合って結構な量の酒を身体にいれた。

サラはと言うと、さっきまでは酔って暴れていたくせに、今は酒のグラスを片手にぐずぐずとずっと泣いている。


「信じてたんだよ…わたし…ぐすっ…なのにひどいよぉ…ぅぅ」

「あーあー。もう。顔が涙でぐちゃぐちゃだ」


僕は袖でサラの涙を拭った。


「零を選んでたらきっとこんな思いしなかったのにね…」


サラはそう言った。

そうだよ。僕を選んでいたらこんな風にサラを泣かせなかった。


「でも…赤井さんがだいすきなんだもん…」


本当に、君は悪魔だな…