【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第39章 BlankSpace ☆
安室side
その客を見ると、サラの顔が見る見るうちに青ざめていった。
誰だこのアメリカ人。
明らかにサラが怯えているから、僕の敵だろうな。と思っていると、そのアメリカ人はサラに挑発的に話しかける。
「さっきはどうも」
「…何しに来たんですか」
「昨日、どんなだったか教えてあげようと思って」
サラを見ると、今にも泣き出しそうな顔をして必死に我慢をしていた。
どうしたんだ。何があったんだ。
そう思っていると、その女からは衝撃的な言葉が飛び出す。
「誘ったのはわたしからだけど、途中で昔を思い出したみたいでね。
何度も何度もわたしの名前を呼んでくれて…」
「やめて…」
「たくさんキスをして、抱き合って、わたしの気持ちいいところ全部わかってくれているの」
「…もういいです。」
「それで…」
それ以上言おうとしたのを、サラではなく僕が止めた。
僕はその女性の口をふさいで壁に押し付けると、その人を殺しそうな目でじっと見ながら言った。
「僕の大切な従業員をあまりいじめないでくれますか」
「…僕の?あなたここのマスター?」
「…いえ。ただの従業員です」
「ただの従業員が、僕の なんていうのね」
そんなに意識したつもりはなかったが、するどいな。この女
僕が思わず敵視して睨みつけると、女は僕を押しのけた。
「まあいいわ。
あ、わたしこのまま日本に住むと思うから。
よろしくね?サラちゃん?」
そう言ってウインクをすると、その女は店から出ていった。
「サラ。何だあれ。何が…」
ドアの方を見た後、サラを見るとサラはボロボロと涙を零して泣いた。
「サラ…」
「…っ…」
もう、君の涙は拭いてやれない
別れるとき、そう言っただろ?
なのに何で、泣くんだよ…
そう思いながら、僕はサラの身体を抱きしめた。