第39章 BlankSpace ☆

赤井side


セリーナを連れて工藤邸に帰ると、まず有希子さんが悲鳴を上げた。


「しゅ、秀ちゃんが！！浮気！！
堂々と浮気してる！！」


そうやって騒ぐ有希子さんを優作さんがなだめる。

頼むから、ややこしいのはセリーナだけにしてくれ…

優作さんに事情を説明して、とりあえず一晩はセリーナはここに泊めてもらうことになった。

明日、ジョディのところへ強制的に連れて行こう。

そう思いながら工藤邸をあとにして、サラの家に向かおうとしたとき、ソファーに寝かせたセリーナが俺の腕を掴んだ。


「どこいくの？」

「家に戻る」


掴まれた腕を振りほどきながらそう言うと、セリーナは負けじとまた腕を掴む。
こいつのこのガッツは一体どこから湧いてくるんだろうな。


「やだ。シュウがいるからここに来たのに」

「サラに帰るって約束したんだ。
お前、明日は必ずジョディのところに連れて行くからな」

「…シュウが今日ここに泊まるなら、大人しくジョディのところに行くわ」


そう言いながら俺を見つめてくるセリーナと俺の間に有希子さんが割って入った。


「だーーーーーーーめ！！！許しません！」

「どうして？部屋は別だしいいじゃない。
寝る前まで一緒にいてくれたらいいの」

「…本当に、絶対明日ジョディの家に行くんだな？」

「ええ。」

「…わかった。」


ハア。とため息をついて俺が了承すると、有希子さんは納得していない！という風に俺に詰め寄った。


「秀ちゃん！」

「電話入れてきます」


怒る有希子さんは優作さんに任せて、俺は部屋を出てサラに電話をかけた。