【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第39章 BlankSpace ☆
車の中も地獄だった。
セリーナさんは後部座席で赤井さんの膝を枕にして擦り寄り、わたしはそれを見ないように必死に窓の外の景色を見てた。
キャメルさんはわたしの方をチラチラと心配そうに見てる。
工藤邸に着くと、赤井さんが車から降りた。
「セリーナ。着いたぞ」
「んー。」
セリーナさんは後部座席で酔っ払って眠っている。
「お酒、結構飲んでましたからねぇ」
「しょうがないな」
そして赤井さんは、セリーナさんをひょいと抱き上げた。
前に、ジョディさんにも同じように抱き上げてたのを覚えてる。
ダメだ。嫉妬でおかしくなりそう。
わたし以外の女の子に、そんなに簡単に触らないで…
抱き上げたりしないで…
そう思うのに、何も言えなくてグッと我慢して下を向いた。
「サラ。後から帰るから。
先にキャメルに送ってもらってろ」
セリーナさんを抱きかかえながら、窓の外からわたしにそう言う赤井さんの顔が見れなくて、こくりと頷くしかできない。
セリーナさんを抱いたまま、赤井さんは工藤邸の門を潜り、車はわたしの家に向かった。
「サラさん、今日は疲れましたよね…」
「まあ…そうですね…」
「…心配しなくても、赤井さんはサラさんしか見えてませんよ。」
「そうかな…」
「はい。間違いないです」
キャメルさんはそう言ってわたしを励ました。
わたしは少しだけ微笑むと、おやすみなさい。とキャメルさんの助手席を降りて家に入った。
キャメルさんにそう言われて嬉しいけど、わたしは確固たる自信がほしい。
どんな人が現れても、わたしと赤井さんは大丈夫という揺らぎない自信がほしい。