【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第39章 BlankSpace ☆
席に戻ると、デザートはもう運ばれてきていて、早く帰りたいわたしはほとんど味わうことなく喉に流し込んだ。
セリーナさんは相変わらず赤井さんにくっついてはこちらをチラチラ見てくる。
そして、さっきからめちゃくちゃお酒を飲んでいて、その挙句赤井さんの肩におでこを乗せてスヤスヤと眠りだした。
ジョディさんがわたしに気遣って、さっさとデザートを食べて言った。
「さ、コースも終わったし、帰りましょうか。」
「そ、そうだな。みんな今日はありがとう」
そう言ってみんな席を立って、わたしもホッとして帰る準備を始めた。
なんだか今日は来ないほうが良かったかもしれない。
みんなにこうやって気を遣わせているし…
何もしていないのに後ろめたい気持ちになってしまう。
「セリーナはわたしが連れて帰るわ」
そう言いながらジョディさんが赤井さんからセリーナさんを剥がそうとした時、セリーナさんは赤井さんの腕にしがみつく。
「やーだ。今日はシュウの家に泊まる」
「何言ってんのよ!ほら!」
「イヤ!ねぇシュウのところ行ってもいいでしょ?」
「ダメだ。お前を寝かせる場所なんかない」
赤井さんのその対応に、わたしは少しほっとする。
だけど、さっきの話が引っかかるわたしは、手放しで喜べないのが現実だ。
「シュウのところじゃなきゃ帰んない」
セリーナさんはそう言ってまた席に座ってしまった。
見かねたジェイムズさんが
「赤井くん…なんとか頼むよ…。
上の指示もあるし」
「…上?」
わたしがキャメルさんにどう言うこと?と聞くと
「セリーナさんは、ジェイムズさんの上長の娘なんですよ」
な、なるほど…
つまり赤井さんにとっても、邪険にできない存在ってわけか…
「…わかりましたよ。
…有希子さんに話してみるか…キャメル。
悪いがサラの家の前に工藤邸に寄ってくれ」
「は、はい」