【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第6章 シアワセ
そんなわたしの心配をよそに、赤井さんは氷を入れ替えるとすぐに戻って来た。
ドアがガチャリと開いたとき、わたしの目からまた涙が溢れた。
「まだしんどいか?」
「ううん。幸せで…」
「はあ?」
わたしの涙を見て心配する赤井さんを見て、とても幸せな気持ちになり、布団を鼻まで被って笑った。
出て行っても、またすぐに帰って来てくれる。
それがこんなに嬉しいなんて思わなかった。
「元気になったら、買い物でも行くか。」
「ん?スーパー?」
「いや。ちゃんと。
思えばこの家にお前の私物は全然無いしな。
買いに行こう。この先も一緒に暮らすんだろう。」
まさか、そんな嬉しい提案をしてくれるとは夢にも思わず、こうなったら早く風邪治さなきゃ…と言う気持ちになる。
「あ…買い物といえば、わたしスマホ買ったんだった。」
そう言って、スマホが入った紙袋を指差した。
「赤井さんの番号教えて?」
そう言うと、赤井さんはわたしのスマホの中に自分の番号を入れてわたしに手渡した。
見ると、赤井さんの番号と沖矢さんの番号が入っている
「ふたつも教えてくれたんだ」
「両方知ってるのはお前だけだ」
そう言うと、赤井さんはわたしの番号をメモして部屋を出て行った。
わたしだけ…わたしが特別なんだって思ってもいいのかな。
そう考えるとまた熱が上がりそうで、わたしは誤魔化すように早く寝ようと目を閉じた。