【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第6章 シアワセ
「ん…」
目を開けると、また一人に戻っていたらどうしよう。
タクミの夢を見た直後、急に不安が襲って来て、わたしは慌てて目を開けて隣を確認した。
「起きたか。気分はどうだ?」
赤井さんはずっとわたしの手を握って、髪を撫でていてくれた。
「…いなくならないでね…。」
「ん?」
「わたしのそばから、いなくならないで…」
溢れ出した不安が止められず、ついそんなことを口走った。
赤井さんはわたしの髪を撫でながら、
「そんな顔をするな」
と言った。
気付いたら、身体はだいぶ楽になっていて、徐に時計を見るとあれから4時間経っていた。
「4時間、ずっと手を握ってくれてたの?」
「ああ。…氷を変えてこよう」
そう言ってわたしの氷枕を取り、そのまま部屋を出て行った。
ドアをパタリと閉じる瞬間、タクミが部屋を出て行く場面とダブって見えた。
タクミのことをまだ好きな訳じゃない。
けれどあの時は本当にタクミが全てだった。
わたしはタクミの前では心も身体も丸裸で、タクミの言葉ひとつでわたしは天国にも地獄にも行けた。