【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第39章 BlankSpace ☆
「サラさん、大丈夫ですか?
なんか、すみません。」
隣に座ってるキャメルさんがわたしにすごく気を遣ってくれる。
「キャメルさんが謝ることじゃないです。
むしろ、さっきわたしがキャメルさんの彼女って間違われちゃってすみません!」
「そんな滅相もない。むしろ光栄です」
「え?」
「あっ!いや、そう言う意味じゃなくて!」
「ふ…そんな慌てなくても…」
わたしはおかしくなって笑った。
キャメルさん、こう見えてなかなかの癒しキャラだ。
しばらくして料理が運ばれてきて、話題の中心はセリーナさんになった。
おそらくジョディさんもキャメルさんも赤井さんも、久しぶりに会ったんだろう。
「セリーナは今どうしてるの?」
「わたしも最近、ジェイムズに懇願して例の組織を追うチームにいれてもらったのよ。
今はニューヨークのパレスホテルの一室をずっと借りて住んでるんだけど、日本に引っ越して来ようかなーと思ってるの」
「パレス!わたしも昔よく泊まってましたよ。
いいホテルですよね!」
ようやく共通の話題だ!と、わたしが頑張って会話に入るも、セリーナさんに一蹴される。
「昔って、あなた20代前半でしょ?
10代のころにパレスによく泊まるってどう言う生活してたのよ。…もしかして、パトロンでもいたのかしら」
いかにも…
いかにもそうです。
さすがFBI捜査官。当たってる。
日本の有名ミュージシャンに全額払ってもらってました…
感心するところじゃないのに、ドンピシャで当てられたことにうっかり感心してしまっていると、赤井さんが少し低い声で言う。
「セリーナ。怒るぞ」
その赤井さんの態度に、わたしは少しほっとして、セリーナさんは少しムッとする。
赤井さんが、良くも悪くも情にほだされない人でよかった。
大丈夫。
今の恋人はわたしなんだから。
それに、今まで何度も自分の中で繰り返し唱えてきた。
赤井さんが今まで何人と、どんな人と付き合ってきてようと、史上一番になれればそれでいい。
そう何度も言い聞かせてきた。
折れそうなプライドを、それだけで必死に固めて自己防衛した。
後の話は、全部仕事の話ばかりでわたしは半分も理解できずただ聞きながらご飯を食べてた。