【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第39章 BlankSpace ☆
ジェイムズさんの誕生日会の日がやってきた。
レストランの個室を貸し切ってやるみたいで、ドレスコードはなし。
メンバーもジョディさんとキャメルさんとジェイムズさんしか来ないみたいだ。
しばらくすると、キャメルさんが家まで車で迎えに来てくれた。
「悪いな、キャメル」
「いえいえ。
ジョディさんはジェイムズさんを迎えに行ってます」
そう言いながらキャメルさんは後部座席のドアを開けてくれた。
強面な見た目とは裏腹に、優しい人だ。
「キャメルさんは、赤井さんと仕事して長いの?」
「そうですね。
赤井さんが組織に潜入しているときからなので…」
「え。潜入してたの???」
そっちのほうがびっくりだ。
わたしはあの組織と関わりがあったとは言え、雇われスパイだったから実際は組織の一部の人間としか面識がない。
主にはジン、ウォッカ、バーボン、キュラソー。
特にジンからの依頼が多かった。
だから、他のメンバーの情報は殆ど知らない。
「まあ、私のミスでそれがバレちゃったんですけどねえ。
でも、赤井さんは一言も俺を責めなかった。
あの頃から、私はずっと赤井さんについて行こうと決めたんです」
ハンドルを握りながら、ちらちらとこちらを見てキャメルさんが言った。
いい先輩なんだね。赤井さん。
ふふっとわたしが笑うと、赤井さんはすこし居心地悪そうに言う。
「お前、そういう話は本人がいないところでしろよ」
「えぇっ。すみません。
でも、赤井さんがあまりにもかっこよくて」
全然悪びれもせずトドメを刺そうとするキャメルさんが面白くて、わたしもついつい乗っかってしまう。
「わかるわかる。
赤井さんかっこいいよねぇ」
「はい!それはもう!」
きゃっきゃと二人で赤井さんがいかにカッコいいかで盛り上がるわたしたちを見て、赤井さんは呆れた顔してため息をつき、聞かないように窓の外を見ていた。