【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第6章 シアワセ
赤井side
眠るサラの額に手を乗せると、まだ熱を帯びている。
「なかなか下がらんな」
そう言って、額にかいた汗を濡れたタオルで拭ってやる。
サラは眠りながら眉を顰め、ふーふーと荒い息を吐いていた。
氷を変えてくるか…
そう思い、握ったサラの手を離してキッチンに向かおうとしたとき
「タ…クミ…」
と、サラが寝言でぽつりと呟いた。
あの男の夢を見ているのか。
サラを見ると、眉をさらに顰めて、閉じた目に涙が滲んでいる。
思えば、サラも俺と同じ経験をしているんだな。
大切な人を亡くすという、残酷な経験。
そいつはどんなやつだった?
お前のこと、大切に愛してくれていたのか?
時折、全部サラに問いただしたくなる。
氷を変えに行くのを辞め、俺はまたサラの手を握った。
「いつか、俺のことも話さなければいけないな…」
そう呟き、握ったサラの手の甲に唇をつけた。