【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第39章 BlankSpace ☆
家でご飯の準備をしていると、赤井さんが帰ってきた。
もうわたしの家の合鍵は渡していて、当然のように鍵を開けて帰ってくるのが、なんだか新婚感が増して嬉しい。
赤井さんは昼間は基本的に沖矢昴として工藤邸で過ごし、夕方になったら変装を解いてわたしの家に帰ってくる。
そして翌朝また工藤邸に向かう。
工藤邸がある意味オフィスみたいになっている。
「ただいま。サラ」
キッチンに立つわたしに後ろから近づいてきた赤井さんは、そう言いながらわたしを抱きしめた。
「おかえり!今日は、ビーフシチューにしたの」
そう言ってわたしは赤井さんに味見用のお皿に少しすくって渡した。
「ん。美味い」
「ほんと?実は初めて作ったからちょっと不安だったの。
よかったー」
そう言ってまたおたまでビーフシチューをかき混ぜていると、赤井さんはまだわたしを抱きしめたままじっとしている。
「…ん?どうしたの?」
「いや、癒やされる」
「なにそれ。ほら!早く手洗ってきて!」
そう言うと、赤井さんはしぶしぶわたしから身体を離して洗面所に向かった。
赤井さんはああ見えて、甘えんぼだ。
最近そんな一面がたくさん見えてきた。
毎日赤井さんとご飯を食べて、テレビを見て、同じ空間でそれぞれの別のことをしたり、一緒に時間を過ごして、これからもずっとこうしていられますように。
そう願わない日はない。
寝る準備をしてベッドに入ったままスマホをいじっていると、赤井さんが遅れてベッドに入ってきた。
「あ。そういえば。
サラ、今度の土曜日空いてるか?」
「土曜日…うん。空いてるよー」
バイトのスケジュールを確認して何も入ってないとわかり、そう返事をした。
「ジェイムズの誕生日会をやるんだが、来てくれるか?」
「わたし、行っていいの?」
「ああ。キャメルとジョディの4人だし、ジェイムズにちゃんと紹介しておきたいしな」
紹介…
なんて幸せな響き…
わたしは赤井さんに抱きつきながら即OKの返事をした。
「行く!」
そう言うと、赤井さんはわたしの首の下に腕を回して腕枕をする。