【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第6章 シアワセ
いつもの同じホテルのスイートルーム
行為が終わったあとのタバコの味のキスに酔いしれながら、わたしは徐に 彼が持っていた音楽プレイヤーのイヤホンを耳に入れ、再生ボタンを押した。
流れてきたのは 純愛を歌ったロックバラード
「これ、タクミがつくったの?」
「そうだよ」
「…タクミには似合わないよ」
出てくる歌詞が、全て指輪の相手に向けられたものだと思うと、胸が苦しくなった。
タクミは複数の女の子に愛をあげられる男なんだって、わかっているのに。
「俺が悪い男だって知ってるのは、サラだけだ」
そう言ってまた、わたしのバスローブを剥いで
イッたばかりの火照った身体に触れ、キスをする
「あ…」
抵抗することなく受け入れて、思わず声を漏らすと、彼は少し笑ってわたしのこめかみにキスをする。
「可愛いよ。もっと見せて」
こんな言葉だけで、誰かの特別になれた気がして
嬉しくて、
愛してるなんて一度も言われなかったけど
わたしは彼を愛してた。
それから数日
彼が死んだと聞いたのは、
亡くなった3日目の朝だった。
どうして?震える手でそのニュース記事を読んだ。
そこに書かれていたのは、わたしの両親が亡くなった時と全く同じ光景だった。