【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第6章 シアワセ
部屋のドアが開く音がした。
「秀ちゃんー!まーだ寝てる……の」
部屋に入って来たのは、美人な少し歳上の女性。
裸でベッドの中にいるわたしと、赤井さんを交互に見て、悲鳴を上げた。
「きゃああ!!ちょっと何やってるのよお!!」
「あ、あなた誰??勝手に家に入って来て!」
「あなたこそ誰よ?秀ちゃんから離れなさいー!」
ま、まさか赤井さんの恋人???
なんなの?!わたしのこと抱いておいて恋人??
あんなにたくさん甘い言葉とかキスとかくれたのに、恋人????
と言うふうに、わたしは赤井さんを睨んだ。
「待て待て。
勘違いしているようだが、彼女はこの家の家主、工藤さんだ」
「へ?」
「有希子さん。
この人は、今訳あって一緒に住んでる女性で…。
コナンくんから聞いていませんか?」
「女性だなんて聞いてないー!」
そう言って有希子さんは慌てて電話をし出した。
「もしもし?!新ちゃん??……」
有希子さんが電話の相手にどうして言ってくれなかったのよお!と怒っているうちに、わたしは昨日着ていたバスローブを羽織った。
赤井さんも、上半身裸に辛うじてデニムを履く。
電話を終えた有希子さんは、こちらに向き直った。
「もう、心臓が飛び出るかと思ったわよ!」
「すみません」
「あ、あの、先程は失礼しました!
住まわせていただいてる、桜井サラといいます。」
バッと頭を下げて挨拶をするわたしに、有希子さんはカラカラと笑いながら言った。
「まぁいいわ。
秀ちゃん一人で心配していたところだし。」
「それはそうと、今日はどうしたんです?」
「ああ、そうそう。これを渡そうと思って」
そう言って有希子さんがカバンから出したのは封筒だ。
中身を見ると、宿泊チケットらしきものが同封されていた。
「京都の高級旅館のチケット!
本当は優作と行く予定だったんだけど、あの人締め切り間近で行けなくって。
新…じゃなくて、コナンちゃんは蘭ちゃんが部活で行けないから、秀ちゃんにあげようと思ってね。」
「京都…」
「たまには、素顔で旅行でもしてきたら?
じゃあ、私はコナンちゃんのところに寄って帰るわ〜じゃあねん♪」
そう言って手をヒラヒラ振ると、有希子さんは鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。