【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第6章 シアワセ
今まで一緒に寝た人は、あんなに真っ直ぐな目で見てくれなかった。
わたしの瞳の奥を見つめてくれたのは、赤井さんだけだ。
誰かと一緒に朝を迎えたこともなかった。
セックスの後、一緒に眠るのに、朝起きたら隣にはもう誰もいない。
そんなことばかりだった。
広いベッドの上で、力なく身体を起こし、昨日愛してくれた人の残り香を嗅ぐ。
そんな寂しい朝ばかりだった。
今日、目が覚めるのが怖かった。
起きたら、隣から赤井さんがいなくなっているんじゃないかって不安だった。
だから、今、脳が起きたわたしは、怖くて目を開けられずにいる。
そう寝たふりをしていると、わたしの髪に誰かの手が触れた。
愛しそうに髪を撫でるその手から、ほんの少しタバコ匂いがする。
わたしはゆっくりと目を開けると、わたしの髪に触れながら、寝顔を眺めていた赤井さんと目があった。
「おはよう」
少しだけ微笑みながらそう言われると、好きが積もる感覚がする。
「おはよ…」
わたしは赤井さんがいるのを確かめるみたいに、
自分の髪に触れる赤井さんの手に自分の手を重ねた。
「…?どうした?」
「…朝起きて、隣に好きな人がいるのって、こんなに幸せなんだね」
「大袈裟だな」
呆れてそう言いながら、赤井さんはわたしのおでこにキスをした。
「わたし、昨日が今まで生きてきて一番幸せだった」
思っていたことが口から溢れるみたいに出てくると、同時に目からも涙が溢れた。
「本当に、泣いてばかりだな」
赤井さんは呆れたように言いながら、わたしの目尻にキスをした。
「これは、幸せの涙なの」
「俺のいないところで泣くなよ?」
そう言うと赤井さんはわたしの唇に唇を重ねた。
わたしは幸せな気持ちで満たされながら、朝起きて1番の赤井さんのキスを堪能する。
「そろそろ、起きるか。もういい時間だ」
「…もうちょっとこうしてたい」
赤井さんの腕にしがみついてそう言うと、赤井さんは仕方ないなと言いつつ、わたしの髪を撫でる。
そして、もう一度わたしの唇にキスを落とそうとした時
ガチャリ