第35章 ハルウタ　☆

「楽しかったねえ！」

わたしが沖矢さんにそう言うと、沖矢さんは微笑みながら言う。


「もう2度と、サッカー観戦には行かせませんけどね？」

「えっ！なんで？！」

「自分の胸に手を当てて考えてみてください。　
変装解いて、シャワー浴びて来ます。」


そう言って沖矢さんは脱衣所の方へ移動した。
文字通り、わたしは自分の胸に手を当てて考えては見たが…


今日のわたしは…


比護さんがサッカー選手だと知る

沖矢さんとキスをしていて比護さんのゴールを見逃す

これ以上比護さんに近づかないように一旦会場から逃げる

これからはファンとして応援するねと言う。
→つまり、ファン以上の関係にはならないよ？ということ。

え？合格じゃない？わたし。
沖矢さんに怒られるようなこと何もないじゃん。