第35章 ハルウタ　☆

嵐が過ぎ去ったような気分になり、ホッと胸を撫で下ろしていると子供たちが駆け寄ってきた。


「見てえ！ヒデにサインもらったの！」

「ボクは真田選手にもらいました！」

「俺なんて比護と真田両方もらったもんね！」


そう言いながら満面の笑みでサイン色紙を見せてくる。
まあこんなに喜んでいるんだから、来た意味はあったかもな。


「じゃあ、帰ろーぜ。
昴さん。悪いんだけど家まで1人ずつ送ってくれない？」


ボウヤが少し申し訳なさそうに言うが、俺は帰ってサラにお仕置きができる。と言うことばかり考えて、一瞬自分が沖矢昴だと言うことを忘れていた。

ハッと思い出して、


「お安い御用ですよ」


そう言うと、子供たちを順番に自宅まで送って行き、最後の阿笠邸を出た後、サラのマンションに車を止めた。