【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第35章 ハルウタ ☆
そもそも、安室くんがサラを呼び捨てにするのは許したわけじゃない。
ただ、彼には俺がサラを傷つけた時にサラを守ってくれたという借りがある。
だから、一応見て見ぬふりをしてきたが、このサッカー選手はダメだ。
絶対に駄目だ。
そう思いながら俺はまた比護をキッと睨んだ。
「そんな目しても、ダメっすよ?」
スポーツ選手というのは、こうも勝気なのか…
俺は更に言い返してやろうとしたとき、
「おーい比護ー!そろそろ行くぞー」
と、チームメイトが彼を呼んだ。
「そろそろお開きか。
サラともっと話したかったけど。」
「練習、頑張ってね。
サッカー選手って知ったわけだし、これからちゃんと応援するから。ファンとして」
サラは相変わらずそんなことを言う。
これはもう帰ったらキッツイお仕置きをするしか道はない。
「ファンとして…か。
サラ、俺今シーズンすっげぇ頑張るから、俺の試合、一試合でも多く見て欲しい。
テレビでも全然いいから」
「うん!暇な時見るね!」
暇な時すらだめだ。
と言うか、お前に暇な時なんて無いからな?
暇を感じたらすぐに俺がサラに手を出してやる。
そんなことを思っていると、比護は少し笑いながら言った。
「暇な時か。ほんと、俺に興味ないね、サラは。」
「え?」
「いや、こっちの話。じゃあな。…沖矢サンも。」
比護はそう言って笑って手を振ると、チームメイトの方へ戻って行った。