【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第34章 アイネクライネ
コーヒーカップってあんなに酔うんだ…
調子に乗って回しすぎたことを激しく後悔しながら、帰り道マスタングの助手席から赤井さんを見た。
レンはさっき担任の先生が迎えにきて、今は車内に2人きりだ。
「調子どうだ?まだ気持ち悪いか?」
「ん…ちょっと気持ち悪い。」
「レンよりはしゃいでどうするんだよ」
赤井さんはちょっと呆れた声で言う。
「…すみません」
「でもまあ、俺はお前のそう言うところが好きなんだがな。」
不意打ちでそんなことを言われ、ドキッとしたわたしは思わず赤井さんを見た。
運転で前を見ながら、少し笑いながら赤井さんが続ける。
「覚えているか?
出会った最初のころ、トロピカルランドはわたしには眩しすぎるって言っていたのを」
「覚えてるよ…」
あの頃のわたしは、こんな幸せの象徴みたいな場所、似合わないと思ってた。
そこにいる人たちみんなキラキラして見えて、夢の中にいるみたいと言ったら、赤井さんが手を握りながら、これからこっちを現実にしていけばいい。と言ってくれた。
あれからもうすぐ一年が経つ。