【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第34章 アイネクライネ
「今日、お前はもうすっかりこの場所に馴染んでたぞ。」
「赤井さんが…救ってくれたから」
「それは違う。
お前は、お前の意思で現実にしたんだ。」
嬉しかった。
そう言ってくれたのが。
人間として、認めてもらえたみたいな気持ちになった。
「赤井さん。
これからも、わたしがどうやって生きていくか、そばで見守っててね…」
「一生な」
赤井さんはまたそう言って笑うと、不意打ちで運転席から助手席のわたしの唇を奪った。
突然すぎてびっくりしたわたしは思わず顔を赤くしながら言う。
「あっ!あぶないよ?!運転中でしょ?」
「赤信号だから」
赤井さんは少し笑って、またわたしの頬に手を添えた。
2回目は、目を閉じてそれを受け入れる。
少し苦い大好きな赤井さんの味がした。
唇を離して、2人で顔を見合わせて笑うと信号が青に変わる。
「この信号、変わるの早くないか?」
「わたしも思った」
仕方なく車を発進させる赤井さんを見てふふ…と笑いながら車窓から流れる景色を見た。
キスの味も、この景色も、幸せだと思う気持ちも全部本物。
もうきっと、闇の中に閉じこもったりしない。
赤井さんとずっと、明るい未来を歩いていきたい。
わたしは強くそう思った。
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